2005-06-09

Lunatic

今日は、ふと思い立って大学の時の友達に電話をした。前に、その子の会社の近くまで行ったからお茶でも、と思って連絡をしたんやけど、その時は捕まらず。そういうわけで、再挑戦。今日は、ちょうどその子も仕事が終ったところらしく、待ち合わせてスターバックスでお茶をして帰ることにした。いうても、会うのは1年ぶりくらいで積もる話や、近況や飽きもせずベラベラと喋りつづけてしまった。明日もあるし、今日はこれくらいで引き上げて帰るか、というてももう8時になっていた。ふと気付くと、空腹……。電車に乗って、最寄駅までたどり着き、再び外にでるとなんだか妙に蒸し暑く感じた。電車をおりたら、若干ひやっと夜風にでも当たれるかな、と思ったけど甘かった。まとわりつくのは湿っぽい空気ばかり。疲れと空腹で大あくびをしておえっとなりそうになりながらチャリンコをこいだ。チャリンコで風を切ると、ちょっとだけ涼しくて気持ちええなぁと思いながら、左に曲がると目の前に月が現れた。最近月なんか見上げてなかったけど、今日の月はものすごいきれいやった。めちゃくちゃ細い三日月で、端と端のカーブをみえへん線で繋ぐときれいな丸が見えた。あんなに細くて艶めかしい月を見たのは久しぶりやなぁ、と思った。大体つきをみて、おっ!、と思う時は満月が常やから。そういうわけで、腹は減って疲れもあったもののええもん観れてよかったなぁ、と思った。

こうして、月に魅了されているのは現代人の私ばかりではない。ラテン語の月を表すlunaという語源を元に英語では

lunacy--- (1)a situation or behavior that is completely crazy
(2)mental illness
lunar---(1)relating to the moon or with travel to the moon
lunatic---(1)someone who behaves in a crazy or very stupid way
(2)someone who is mentally ill

という言葉がある。『間接性精神病・精神異常・心神喪失』、『月の・太陰の』、『精神異常の・実に馬鹿げた、常軌を逸した、狂人』というのがそれぞれの意味なのだが、昔これらの『狂気』は月の満ち欠けによってもたらされるものだとされていた。だからラテン語lunaからは、『月に魅了されて、通常の精神状態ではいられない』すなわち『精神異常・狂人』という言葉が生まれたのだ。街頭やランプなどなかった時代の夜にたった一つ輝くものが月だったとしたら、そしてその物体が日に日に姿を変えて光を放つなら……。人々に与えた影響力は計り知れない。そう思うと、人々の生活と言語は昔から深く結びついてきたんだな、ということを改めて気付かされる。

しかし、ところ変わって、ここにほんでは『月並み』という言葉がある。意味は、国語辞典によると『平凡で特にそうい・新鮮味がないさま』ということだ。ところ変われば随分と違うもんだ、と思って月並みの由来を調べてみると、『月並みは、元々「毎月」「月ごと」「毎月決まって行うこと」などを意味する語であった。そこから、和歌・連歌・俳句などで行うなう月例の会を「月並みの会」と言うようになり、俳句の世界では「月並俳諧」という語も生まれた。月並みが「平凡でつまらないこと」を意味するようになったのは、正岡子規が俳句革新運動で、天保期以後の決まりきった俳諧の調子を批判して、「月並調(月並俳句)」と言ったことによる。(http://gogen-allguide.com/tu/tsukinami.html)』ということであった。なるほど、月、moonじゃなくmonthの方の月だったのか。同じ漢字を使うのにな。日本語は奥が深い。しかし、そういえば、日本人も『お月見』なんかするしな。やっぱり、『月(moon)』は、万人を狂わせる艶めかしいものなのだ。

今日の月がきれいやったもんやから、ちょこっと書くつもりが、だらだらと描いてしまった。やばい。早く寝なければ……。

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Temporary or forever

 久しぶりにFacebookをのぞいてみたけどやっぱりもうしっくりこうへんというか、無理というか。 アカウントを解除する、というやつにしてみた。将来的にまたONにするのかしないのか、それはわからへんけど、とりあえず今はもうええかな、と。