土曜日、ゆきさんとゆうじさんの展示を観に福山に行ってきた。ギャラリーでお二人の作品を見たことがあるのは、実は数回。
ギャラリーに到着すると、ちょうど午前のお客さんの波が引いたころだったみたいで贅沢にもゆきさんの話を聞きながら作品を見ることができた。
もともと造形作家だったゆきさん。子どもが生まれたのをきっかけに、布作家として今まで制作されている。一番最初に生まれたぐるぐるバッグから、直線が美しいマットまで、何もないところから何かが生まれ、それとともに時間を経て、また新たな想いや意思が生まれてそれを形に。その行為はぐるぐると繰り返されて、生み出される作品は、形や目的を変えているけれど、同じところを回っているというよりはあっちへこっちへ軽やかに旅をしている感じがした。どれも持ち主に寄り添って時間を過ごしてくれるのだろうな、という優しさを作品から感じるのはゆきさんが自分やくらしと向き合い、そのなかで生まれてきたものだからに違いないと思った。
2階は、素敵な屋根裏部屋のような空間で、そこにマットがざっと広げてあって、天井からはゆきさんが色合わせの試作などに作ったりしたという丸い布が透明のテグスに通されて上からつるされてあって、それがちょっとした空気の振動で絶えずにゆらゆらとしている。ぼんやりと過ごすのが気持ちよさそう。それらを見つめながら、ゆきさんから語られる言葉に耳を澄ましたら、なんかゆきさんが大好きだという海を一緒に見つめているような気持になった。(そのあと鞆の浦にいって海を眺められるカフェに行ったら、ゆきさんが言っていたみたいな白い海と空が層をなしているのを見て、ああ!となった。)
ゆうじさんの作品は、デッサンと彫刻。「手は動かしとかないとね」とモデルデッサンを何十年も続けておられるゆうじさん。画面には無駄な線がなくて、でも見ていると躍動感というか生命の感じがもりもり押し寄せてきてなんかくぎ付けになってしばらく見てしまった。迷いのない丸い線から安心感を感じるからかなぁ?!
行ってよかった、福山。よし、がんばろう!
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