2006-01-05

現実逃避より

帰ってまいりました。夜行バスで7時前に三宮に着いてまさみと別れ、本気のバックパックを背負って新快速を待っていると、スーツ姿の人ばかりで、もう正月は過ぎたんやなぁ、と現実逃避と現実の境目をふらふらとしていた。溜まっていたメールを返していると、姫路についた。お母さんに駅まで迎えに来てもらって、家について年賀状を見て、今頃正月を取り返そうとしていた。

さて、前回書き込んで以来意外と時間とインターネットをする時がなくて今になってしまったけど、その後の旅の模様を書いておきます。

まず、1月2日。オーストラリア旅時代、ブリスベンのYHAにて友達になったえみこを訪ねてひろみと鎌倉に行くことになっていた。この日の早朝に、夜行バスでまさみが関西より東京に乗り込んできていた。鎌倉から帰ってくるまでは会われへんやろうと思っていたけど、結構早くにバッパーについたようで、シャワーの後レセプションの前にいくと、普通にソファーに座っていた。どちみち11時にはバッパーを出ないといけなくなるから、と、一緒に駅に向かった。この日は、18切符を使って鎌倉まで行くことにしていたから、私はJRでひろみとの待ち合わせの東京駅を目指した。まさみは、メトロの1日乗り放題券を買っていたので、メトロの駅に消えていった。しかし、東京駅と言うのは恐ろしい。いろんな線が乗り入れているのもすごいけど、JRだけでも移動がめちゃくちゃ大変なのだ。鎌倉へは、横須賀線という線で行くのだけれど、なんとこれが地下5階のホームから出ていると言うから驚きだ。私は漢字もサインも読めるけど、横須賀線はこちら、と誘導される案内に、うそやろ?!と突っ込みを入れつつ、結局インフォメーションで確かめる始末だった。日本語のわからへん人が東京駅をうろつくのは、ある種の罰ゲームかもしれない。横須賀線にたどり着いたのとほぼ同時くらいに電車が来て、ひろみとも無事に合流。鎌倉までは1時間。結構すぐだった。鎌倉駅で恵美子とも無事合流した。この日は、あいにくの雨で結構足場も悪くて歩きづらかった。昼ごはんは、無性にご飯が食べたかったから、カツ丼を食べて、神社へ向かった。雨のせいか、思ったほど混んでいなかったのはいいけど、おみくじを張り切って引くと『凶』だったのには驚いた。思わず、『ギャーーーー!!!』と叫んでしまったほどだ。正月は、あまり凶は入れていない、と言うのがセオリーだったのでは……。しかし、なんと、えみことひろみも凶だった。3人揃って新年早々凶とはどういうことですか!!!私たちの後ろにカップルで着ていた人がいて、彼氏のほうはなんと大凶を引いていた。今年も、お前ら気を抜かずにしっかりいけよ、と言うことなのでしょう。そういうことにしておこう。鎌倉を後にして、次は江ノ電で散策することにした。江ノ電はテレビでしか見たことがなかったけど、実際に乗ると軽く感動する。というのも、途中の駅からずっと海沿いを走っていて、駅を降りると、海!!!!と言うことになっているのだ。これは、感動する。海沿いの街はやっぱりええなぁ、と思った。鎌倉の大仏さんや、スラムダンクのモデルになったという鎌倉高校を見て、最後は江ノ島にたどり着いた。お茶をして、神社に行って、またお茶をして、としゃべりっぱなしの鎌倉やった。えみことオーストラリアで過ごした期間なんか、2~3日くらいのもんやのに、こうして再会できるくらいの何かがお互いの中にあるのがうれしい。山手線で、ひろみとも普通に別れたけど、なんか変な感じや。すごい久しぶりに会ったはずで、またしばらく会われへんはずやのに、再会もわかれも驚くほどにあっけない。でも、一緒におる間は久しぶりの気が全くせぇへん。不思議な感覚です。

1月3日、この日は朝から秋葉原にいった。1階から8階くらいまでのウインドウが全部コスプレの服がディスプレイされているびるとかあってびびった。この日はまさみと行動をともにしていたので、調子に乗って内部にも潜入してみた。私らは見るからに冷やかしの観光客やったけど、結構真剣にコスプレの服を求めている人や、エログッズに夢中になっている人がいて、これもまた衝撃。しかも、朝からかーー……、と思うと、なんだかすごい街だなぁ、と思った。電化製品は確かに安くて、まさみはMP3プレイヤーを破格値で買っていた。その後、お台場のほうへ行ってみることにした。フジテレビビルのあの大階段を見て、めちゃイケや~~!!と、テンションが上がったけど、家族連れで人が多すぎて、結構イライラした。やっぱり、ああいう商業施設に行くと人が多くてかなわへん。その後、六本木ヒルズにいった。買い物ははなからする気がななくて見てないから、どこにショップが入っていたのかも謎。夜景を見るために展望室に上ることにしたんやけど、1500円もしたから怯んだ。美術館にも入れるらしいと言うことが後になってわかって、しかも近代美術やし、せっかくここまで来たから見ることにした。ミュージアムショップを見ていて、いろんなグッズを見て心動かされたのだ。その美術館は、森美術館といって、「杉本博司」の「時間の終わり」という展覧会が催されていた。写真の作品なのだけれども、これがすばらしかった。数学の式を視覚化するという面白い試みがされていたり、映画館のスクリーンを写真一枚で映画一本を表したりアイディアも面白かったけど、緻密なまでに計算された光と影の表現がすごいと思った。私が一番感動したのは、ジオラマとポートレートだ。ジオラマは動物などの剥製をあたかも本物の動物たちの写真であるかのように撮影され、肖像画の人物を一度蝋人形で作ってそれを再び肖像画と同じように写真撮影するというものだ。ジオラマのほうはポストカードが売ってあったから思わず買ってしまった。私が買ったのは、鹿??かなんかが草原の中に群れていてこちらを見ているというもので、一見動き出しそうに見える動物に対して草木があまりに無機質で、それにつられてまた動物も無機質な物に見えてきたり……と、なかなか不思議な気持ちになった。やっぱり、日本でももっと美術館が身近な存在であるべきやなぁ、と思った。私なんか、美術なんか全然わからへんけど、こうして機会があれば感動したりするんやから、その機会があまりにも少ないのは残念で仕方ない。(入場料が高いのも含めて。)……で、ヒルズの夜景。これは、ほんまにすごい。正直な感想は「うそみたい」な景色やと言うこと。ほんまに何度「ありえへん」を連呼したことか。笑 とりあえず、見える限りの向こうまで光が続いていたのには言葉を失った。山がないのにもびっくりするけど、360度光に囲まれている東京ってなんなん?!?!と、度を越して意味がわからへん域にまで達していた。現実離れとは、ああいう事か、と。その後、晩御飯はめちゃくちゃ久しぶりにハードロックカフェにいった。やっぱり、ハードロックのバーガーはうますぎる。神戸になくなったんがほんまに残念。また大阪のんでもいいから行きたいわー。ハードロックの後、ライトアップされた東京タワーを写真に収めようと、いいショットを追い求めているうちに結局東京タワーのふもとまで来てしまった。本当の色は赤い東京タワーは、光を受けてオレンジ色に輝いていた。またそれが、真っ暗闇に映えて感動なんよ。近くで見ると、その鉄筋(?)の組まれた様子が美しかった。でも、調子に乗って東京タワーまで歩いたのが災いして、その後はメトロの駅を探して町をさまよう羽目になった。結局、結構な距離を歩いてようやく駅を発見。普段ならいいけど、靴擦れした足にはきつかった。バッパーに戻ると、新しい人は増えていなくて、オーストラリア人のキャロラインがいるだけやった。キャロラインは、2年前に日本に留学していて、その後オーストラリアの日本大使館で働いて、3ヶ月ほど前からヨーロッパとかを旅して日本にもう一度寄って、オーストラリアに戻っていくといっていた。ヨーロッパの旅の仕方や、日本でいった場所とか、シドニーのこととかいろんな話をシェアできてよかった。やっぱり、出会いは素敵です。

1月4日、気が付けば東京ラストデイ。おばあちゃんの原宿こと巣鴨を見に行ってみようと思っていたけど、荷物を預けたり、東京駅でなれない土産を買ったりしていると結構な時間になってしまったから今回は見送ることに。表参道と言うところに雑貨屋が点在すると聞いたので行ったみたけど、見つかるのは高級ブランド店ばかりで、あれよあれよとさまよいこんだのは原宿の竹下通り。人が多いし、幼すぎるし、銀行ないしお金おろされへんからお金ないしで、結構疲れた。人ごみから逃れるように、下北沢に足を伸ばしてみると、この町がええ感じですっかり気に入った。道の両サイドに小さな店が立ち並び、そんな中にたまに普通の肉屋や生活用品店が混じっていたり、メインっぽい通りから裏路地がたくさん延びている感じが気に入った。うろうろしているうちにでかいヴィレッジも見つけて結構長居した。ここのヴィレッジは敷地も大きいから、ほんの数も半端じゃなく面白かった。それから、夜行バスが出発する10時40分まではまさみのニュージーランド時代の友達みきちゃんと、その友達のやまちゃんとバーにいった。バーのくせに、しっかり食べれて、しかもうまいし安いというええ感じのところやった。おいしい食べ物もさることながら、旅の思い出話をつまみに楽しい時間が過ごせた。店を出て、改めて街の明るさに驚いて「眠らない街、新宿」というテレビで聞いたことのアルキャッチフレーズを思い出したのでありました。ほんまに、異常な明るさで、普通に疑問に思った。「いったいみんな何をしてるんやろうなーーーー?」と。

1月5日、午前6時50分過ぎ。三宮着。電車に乗ると、スーツ姿のサラリーマンまみれで、とっくに正月が過ぎていることに気が付いた。東京からこっちに帰ってこなあかん寂しさと言うよりは、現実逃避から現実にもどらなあかん恐怖のほうが強い。久しぶりに会う友達からは、やっぱりパワーやバイタリティをもらった。旅や、現実からの逃避は最大の目的やし理想やけど、それを「妄想」でとどめずにほんまに現実にしていくであろう人たちとしゃべると元気が出るわ、やっぱり。そして、自分もがんばらなあかんわ、と。そういうわけで、今回の年末年始暴走の旅は、大成功やと思う。

そうして、知らん間に過ぎていた正月を、お雑煮を食べたり、お笑いのビデオを見たりして待ったりとり返している自分がおる。どうやら現実に戻るのは、まだ嫌みたいです……。笑



これは余談やけど、最後に。私が泊まった地域は、台東区と荒川区の境目のようなところで南千住というんやけど、ここでのホームレスの多さにはびっくりした。姫路とかでも見かけることはあるけど、南千住のようにホームレスが群れてと言うたら言葉が悪いかも知れへんけど、地域一帯にコミュニティーを持っている様子に結構衝撃を受けた。ごみの横に布団を強いて寝ている人や、道端にうずくまってのたれ死にそうになっている人もいた。交わされる会話が「ここんとこ急に痩せたな」であったり、結構その問題は深刻そうだった。街中でも、「ドラッグに手を染めるな」という青少年に呼びかけるポスターを結構見かけたりして、普段そんなポスターやアナウンスに触れる機会がほぼないだけに、結構面食らった。そんな、暗い東京の一面も見た旅でもありました。

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Temporary or forever

 久しぶりにFacebookをのぞいてみたけどやっぱりもうしっくりこうへんというか、無理というか。 アカウントを解除する、というやつにしてみた。将来的にまたONにするのかしないのか、それはわからへんけど、とりあえず今はもうええかな、と。