2005-10-20

おもしろきこともなき世を面白く

今日は、再びこの言葉に遭遇した。はじめてこの言葉をみたのは、JRの吊り広告だ。何年か前、関門海峡のPRのために使われていた広告にその言葉は載っていた。幕末の志士の一人、高杉晋作の言葉だ。面白くない世の中でも、自分の気の持ちようで面白くもなるものだ、という意味だ。この吊り広告はなかなかインパクトがあって、ピンク色をした夕暮れ時の空と関門海峡と橋の写真の真ん中に縦書きで、おもしろきこともなき世を面白く、高杉晋作、と書いてあった。すっかり気に入った私は、友だちの手帳に書きなぐった覚えがある。

そう、この言葉に今日再び出会うこととなった。百貨店のイベントの一つで軌保博光ことてんつくまんがきていた。本や額などを買えばてんつくまんに、インスピレーションで言葉を書いてもらえる、というイベントの傍ら、路上詩人であるてんつくまんのミニ個展のようなスペースが設けられていた。ミニ個展をみていると、その中にこの言葉があったのだ。大学生の時友達がこの軌保にえらくはまっていて、一緒に見に行ったことがあったので彼のことは知っていたけど、今年彼を見るのは実は2回目なのだ。オーストラリアから帰ってきて、友達と会うために神戸に行ったときに、同じようなイベントをしていたのを通りかかってみた。さらに、夏休みに京都にいったときにとまったバッパーで友だちになった子がてんつくまんが参加するNGOのボランティアをしているといって、イベントを知らせる紙をもらった。そして、今回のミニ個展。全てここ何ヶ月かの話だ。だからなんやねん、といわれればそれまでの話やけど、なんか妙にそんな偶然が重なり合うのでそわそわしてしまう。(てんつくまんの本から抜粋すると、偶然とは誰かが作った言葉、だというが、あえて偶然という言葉を使う)

それでまぁ、作品をうろうろ眺めていると、てんつくまんも手が空いたらしく、その辺をふら~っとしていたからすれ違いざまに「頑張ってくださいね」というと、「よっしゃぁ~ありがとう~」的なことを言っていた。インスピレーションを書いてもらうかどうか、散々迷いながらも、まだ明日もある品…と思いつつ駅に向かった。駅で、いかにも困った風の外国人3人組がおったから、声をかけるとロッカーの場所がわからなくなっていたらしい。鍵をみせられて、預けた荷物の場所がわからない、といっていたから、思わず、そんなあほな!!とびっくりしたけど、鍵に親切に『新幹線・2F』と書いてあったから、新幹線のホームへの行き方を教えた。「アリガトー」といって駅の中に入っていった。ほんまに大丈夫かな、と思って心配やったけどわざとゆっくり歩いて彼らの足取りをみていると、ちゃんと新幹線の方に向かったので良かった。彼らよりそわそわしてたのは、私のほうで、友だちに電話して軌保がおる旨を伝えた。友だちは、絶対インスピレーションやってもらい、といって電波が悪かったようで途中で切れたけど、結局私ははや歩きで百貨店まで戻っていた。

ほんの一瞬で、私の目をみて言葉を書き上げて、その後てんつくまん自らが読んで意味を教えてくれた。頑張ってください、と握手をしてわかれたけど、なんかめっちゃうきうきしていた。うきうきしすぎて、駅に入って電車が少し遅れている、というアナウンスを聞きつけて、走ったら間に合うか!乗るか!とダッシュをかますくらいうきうきしていた。

ほんま、おもしろきこともなき世を面白く、やね。

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Temporary or forever

 久しぶりにFacebookをのぞいてみたけどやっぱりもうしっくりこうへんというか、無理というか。 アカウントを解除する、というやつにしてみた。将来的にまたONにするのかしないのか、それはわからへんけど、とりあえず今はもうええかな、と。