2007-04-02

久しぶりの

旅日記です。日曜日に、片道over 5 hoursという相変わらず時間を無駄にかけての18切符旅に繰り出してきた。行き先は広島。当初の予定では、ちゃんと泊りがけにして、行きたいところを2箇所ほどピックアップしててんけど、ゲストハウスが予約いっぱいで。しかも天気もいまいちっぽかったから日帰りにしようと心変わり。土曜日に行こうかとも考えたけど、起きられず。なーむ。そういうわけで、予定が変わりにかわって、結局落ち着いたのが日時:日曜日、行き先:広島というわけです。まぁ、今回は一人旅やからなんでもありやねん。

広島は、今までに確か2回ほど行ったことがあって、両方原爆ドームのほうを見に行った。でも、今回は趣向を変えて、というか、たまたまインターネットで広島について調べてた時に見つけたんやけど、現代美術館があることを知ったからそこに行くことにした。美術館、最近全然行ってへんかったからなぁ。せっかく18切符があるし、どこか遠いところの美術館へ、そして現代美術ならなおよしっ!というわけで、広島の近代美術館いいじゃないですか。HPでみた建物の近未来的というか、宇宙的な感じも気に入ったし。

地元の駅を9時過ぎに出発して、岡山方面の電車へ乗り換えた。もうこの時点で人の多さにげんなり。今回の18切符が安いからなのか、それとも知らんうちにこんなにも18切符が世に普及しているのか、春休みやからなんか、とにかく人が多い。全然へらへんし、途中の乗換駅では我先にと席を確保するために人を押しのけ乗車する様がほんまに醜かった。岡山、倉敷をすぎてようやく18切符旅らしい車内になってきた。時刻表をひたすら眺めている人とか。私はというと、ひたすら寝ていた。ほんま、よくもあんなに練れるよなぁ、問いうくらいにぐぅぐぅと眠りこけていた。そして、起きたら本を読んだり、ぼんやりしたり、車窓を眺めたり、気ままなもんです。

尾道駅に差し掛かって、よっぽど降りようか迷った。なぜなら、尾道駅にはうまいラーメン屋があるからなのです。前に友達といった時には地元の人いわく「1番目においしいラーメン屋」が定休日やったから、「2番目においしいラーメン屋」にしか行かれへんかってんよな。でも、その2番目のラーメン屋すらものすごいうまさで、今までのラーメンでもベスト3に入るくらいおいしくて、その店にまた行ってやろうか、という考えがよぎったのだ。時計を見たら、昼過ぎてええ感じやし。でも、広島県をなめたらあかんのは、意外に横に長くて、そして、広島市は意外に西に位置しているということ。尾道はすでに広島やけど、そこからさらに1時間半だかなんだかかかるんやもんなぁ、広島駅。散々悩みぬいた末、途中下車をあきらめてまっすぐと広島へ向かうことにした。

尾道をすぎたあたりから、車窓には海が広がる。青空やったらもっと海がぴかぴかしてきれいんやろうけど、あいにくの曇り空で残念やった。でも、瀬戸内海に浮かぶ島々を眺めながらの鈍行列車での移動はなかなか贅沢な時間の過ごし方やなぁとしみじみ感じさせてくれる瞬間でもある。途中の駅で、おなかがすいたから乗り継ぎの時間で下車してコンビニでおにぎりとお菓子を購入。それとともに、一気に広島を目指す。

広島駅までの間、めっちゃうるさい謎の外国人の集団が乗ってきた。フランス語?スペイン語??なんだかよくわからへん言語を恐るべきスピードで操る、ほぼ半裸のような(背中が全部開いてた。)女の人の勢いがすごすぎて、思わずウォークマンの電源を切ってその会話をBGMにしてしまったわ。その人たちは、広島県からアウウェイな私から見ると何もなさそうなマイナーそうなローカル駅で下車していった。う~ん、謎。

広島駅にようやく着いて、「5番、5番」と念仏のように唱えながら市電乗り場へ小走りで向かった。ちょうど正面に止まっていたのが5番の市電で、乗り込むと割りにすぐに出た。路面電車の走る街ってなんかいいよな。自分の街がそうじゃないからか、妙にそわそわして窓の外や車内を眺めて、テンションがあがってしまう。でも、軽装で一人で市電に乗っても、まさか兵庫県からふらりと来た人とは誰も分かるまい。比治山下という駅で降りて坂道を登って美術館を目指す。

広島はちょうど桜が見ごろで、お花見をしているグループもちらほら。そんな中私はずんずんと美術館に入っていった。ちょうどしていたのが藤本由紀夫の「ECHO~潜在的音響」という展覧会。はじめて知ったアーティストやけど、彼はサウンドアーティストだそうで、「触りたがり」の私にはとても嬉しい「触るタイプの展覧会」やった。ペンを押したり、オルゴールのねじを回したり、トランプをオルゴールに差し込んだり、ほぼ全部の作品に触れることが出来て、そこから流れるランダムな、意味がなさそうで、ありそうで、その組み合わせは自分と他の人が奏でたその瞬間のものだけで、その作品だけでなくまさに空間を楽しむことが出来たような気がする。気に入った作品は、"here & there"というやつと、"broom"という作品。特に"broom"はかなり気に入った。廊下一面に落ち葉が敷き詰められていて、その上を歩くという作品なんやけど、一人で歩いているだけやのに、パリパリカサカサと音があたり一面に響き渡る。その足で踏みしめる感触と、響く音がとても心地よくて、いつまでもその上を歩いていたいような気分やった。

もう一つ、特別展はポートレートセッションというわけで、様々な表現のポートレートの作品が展示してあった。ポートレートといえば、見たままの人物画というのを想像していたけど、それよりももっと内面的なものを形や絵に表したという作品が多かったように思う。何と言うか、混沌とした内面を感じさせるものが多かった。そういうやつに限って、大きく見開いた目がじっとこっちを見ているからなんかドキッとしてしまう。

常設展では、アンディウォーホールや岡本太郎といった名前を知っている人の作品を見ることが出来て感激した。テーマごとに展示されてあったから、もっとじっくり見て色々考えたりしたら(あるいは、ああだこうだと話す連れがおったら)よかったんやけど、いかんせん、時間がなくてちょっと駆け足になってしまったのが残念。それにしても、岡本太郎の作品には感動した。絵は「黒い太陽」という作品やったんやけど、あの大胆な迷いのない線がほんまに潔くて気持ちよくて、力強さを感じさせてくれた。

再び駅に舞い戻って、腹ごしらえにと駅ビルの中の尾道ラーメンを食べた。う~ん、やっぱり前食べたところのほうがおいしかった。でも時間がないからそうも言うてられへん。さっさと食べて、家の人には広島に来ることを言うてなかったからびっくりさしてやろうと思ってお菓子でも買って帰ることにした。

もう1時間家を早く出ていたらもっとゆっくり出来たのに~、という気もしつつとてもいい時間を過ごすことが出来てよかった。あと、もう一つよかったのは、いつからかずっとだらだらと読んでいた本がついに読み終わったこと。三島由紀夫の「宴の後」という本で、あんまり興味のない政治の話で、ほんまにすすまへんかった。でも電車の中で一気に読みおわった。正直、「政治、えぐいな」くらいのしょうもない感想しかもたれへんかった。やっぱり、「金閣寺」のほうがひきつけられるものがあって面白かったなぁ~。

さぁ、ここまではよかったけど、最後の最後に腹立つことが。まず、岡山駅から乗換えでなんと姫路までの1時間半、座れず!!!どんだけみんな出かけるねん?!(って、私もちゃっかりそのひとりなんやけど。)こんなことなら、時間かかるほうの電車に乗ればよかった。へんに知恵をつけて早くつくと思って乗り換えたのが間違いやったなぁ。座られへんのでしんどいなぁと思っているところに、最後、終点に着く間際にまだ電車が走っているというのにさっきまで座っていたおばはんが、席を立ち上がって、我先に出ようとしている。私のそばをすり抜けようとしているのが分かったけど、電車はまだ動いているし、もちろんドアは開いてないし、何より立っている人も一杯でこれ以上前には進まれへんから、と思っていすの手すりから手を離さずに知らんぷりをしていた。すると、なんとこのおばはんから出た言葉にびっくり。

「何でそんな意地悪するんですか!」

えっっっ?!こういうのん、今は意地悪って言うのん?!一瞬耳を疑った。ど厚かましいことをしようとしているのは、あんたちゃうのん?!おばはんは、私をぎろりとにらみつけて、私の反対側に強引に回りこんで前へとすり抜けていこうとしていた。おばはん同士にわいわいこういう行為をされるのも、腹が立つけど、この人は子ども(物心しっかりついているやろう小学生?)がおる前でこういうことをしていた。ありえんやろ?!それとも私は、その人のために手すりを放すべきやったん??それで電車が揺れてよろけて私がこけるとか、他の人が押されて迷惑になるとか、そういうところには頭がまわらへんかったんかな、あの沙悟浄BITCHは?!とにかく、この女は地獄に落ちろと一瞬心底呪ってしまったわ。

ほんま、楽しいたびの最後にこんなしょうもないことがあるとほんま腹が立つ。まぁ、総合的には色々収穫もありでよかったんやけど。やっぱり、美術館とかには足をはこばなあかんなぁ、と思う。別に美術に特別詳しいわけでもなんでもないけど、斬新なアイディアとか抽象的なものを具体化しようとしたその作品を見るというのはめちゃくちゃ刺激的でええもんやなぁと改めて感じるばかり。

うぎゃーっ。熱く語りすぎた。明日の朝起きれるかすでに心配。

No comments:

Temporary or forever

 久しぶりにFacebookをのぞいてみたけどやっぱりもうしっくりこうへんというか、無理というか。 アカウントを解除する、というやつにしてみた。将来的にまたONにするのかしないのか、それはわからへんけど、とりあえず今はもうええかな、と。